労働基準法改正・5 有給休暇の賃金算定方式統一

現在労働基準法では、有給休暇取得時の賃金について、次の3つの方法が認められています。
1つ目は「通常の賃金」。
これは、通常勤務した場合に支払われる賃金で、最も一般的な方法です。
2つ目は「平均賃金」。
過去3か月間の賃金をもとに1日あたりの金額を算出する方法で、日によって賃金が変動する働き方に適しています。
3つ目は「標準報酬日額」。
健康保険の等級をもとにした金額を使う方法ですが、この場合は労使協定の締結が必要です

 そして今回の改正後は「通常の賃金(所定労働時間労働した場合に支払われる賃金)」への原則一本化が検討されています。現状では以下のような問題が顕在化することが多いためです。

  ・同じ有給休暇なのに支給額が違うことによる不公平感
  ・計算方法の違いによるミスの増加
  ・従業員からの不信感やトラブル

例えば、特にパート・アルバイト等の短時間労働者において、平均賃金で算出すると受取額が日給の6〜7割程度に目減りしてしまい、「有給を取ると損をする」という格差が生じていた問題があります。
 特に近年は労務管理に対する意識も高まっており、説明できない制度はリスクになりがちです。

そのうえで今回の改正「通常の賃金での計算方法の原則一本化」の理由は単純であり、

  ・計算が分かりやすい
  ・従業員に説明しやすい
  ・トラブルになりにくい といったメリットがあるためです。

なお、例外として「労使協定があるのみ」に限定して標準報酬日額での計算を継続することも検討されています。

以上のような改正があれば、「通常の賃金」以外での計算方法をとっていた企業は、当然就業規則(賃金規則)の改定、見直しが必要になります。
 ただし賃金に係る内容は従業員にとっては一番重要な決め事ですから、不利益変更とならないよう十分注意する必要があります。規定改定後、有給で休むことにより以前より収入が減ってしまうことが無い様に十分検討しなければなりません。場合によっては新しい手当を新設する必要があるかもしれませんね。

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