就業規則は会社にとって欠かせないルールブックです。そして就業規則をつくらなければならない企業は、まずはネットとかで参考にできるモデル就業規則をベースに、自社で作成しようと考える事も多いのではないでしょうか。
もちろんそれは悪いことではないのですが、以下の事を意識して「お直し」しなければ、ただのお飾りになってしまうでしょう。
まず大切なのは、①シンプルで誰が読んでも理解できることです。専門用語が多かったり、例外が多すぎたりすると、社員はもちろん管理職でさえ説明に困ります。条文は短く、平易な言葉で書かれているほど、現場での納得感が高まります。
法律の条文はまだるっこしくて読みにくいものも多いですが、作成者にそれを読み解くベース知識がなければそのままの文言を規則に反映させてしまい、会社のルールブックなのか法律を読んでるのかわからないようになってしまいます。
次に、②実際の運用と矛盾しないこと。勤怠管理や休暇制度など、会社の仕組み(慣例も含む)と規則がズレているとトラブルの原因になります。「社長の判断」や「これまでこうしてきた(慣例)」と「規則の内容」が違うケースは意外と多く、ここを整えるだけで労務リスクは大きく減ります。ここでの第三者の客観的な判断は大変有効です。「中の人」にはなかなか見えにくいのですよ。
さらに、③トラブル時に会社を守れる設計になっているかも重要です。懲戒、服務規律、休職・復職の基準などは、平時には目立ちませんが、いざというときに会社を支える“最後の砦”になります。最低限のリスクヘッジが組み込まれている規則は、会社と社員の双方を守ります。例えばこれは私の経験則ですが、休職からの退職勧奨の際、その基準がはっきり書かれているのとないのとで、その後の進め方に大きな差が出ました。
そして最後に、④社員が納得できるルールであること。就業規則は会社のためだけのものではなく、社員にとっても安心して働くための契約書です。「なぜこのルールなのか」が説明できる規則は、信頼につながり、定着率の向上にも寄与します。
就業規則は“作ること”が目的ではなく、“使えること”が価値。会社の土台をつくる大切なツールとして、「会社の専門家」の社員さんと、「法令の専門家」の社労士がタッグを組んで挑めば、それができるのではないでしょうか。

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