「目標管理制度」を導入している企業は多いことと思います。
私の勤めていた会社でも運用されていましたが、はたしてこれは効果的に機能しているのだろうか?と考えることも多く、思うところを記してみたいと思います。
なお、決して制度自体を否定している訳ではない事は先に申しておきます。
まず、目標管理制度を導入することによるメリット(=企業が導入に際し期待する事)
1.従業員の自立性の育成
・・・従業員が自身で目標を設定することにより自覚を促し、主体性が高まり生産性が向上する。
2.能力開発の向上
・・・少し高い目標を設定することでスキルアップが促される。
3.モチベーションの向上
・・・まず大きい組織目標があり、それに自身の目標をリンクさせることで達成した時の、組織に貢献したという実感を得られる。
4.評価の透明性
・・・目標達成度が当人への評価の基準として明確なため、本人の納得感も得られる。
では、その逆に目標管理制度導入によって生じるデメリットはあるか。
1.管理職の負担が増える。
・・・部下の目標設定の際の上司としてのフォロー、進捗管理、達成度と評価の説明が必要。そしてそれに伴い当然個別面談も増える。
2.目標の建前化、形式化
・・・目標はあくまで目的を達成するための手段のはずだが、(目標が義務になった時点で)目標を立てること自体が目的になってしまう。また、評価を受けるための目標にもなりがちで、本来の目的である成長につながりにくい。
3.職種によっては目標設定は困難。
・・・間接業務であり、与えられた業務を粛々と間違いなく遂行することが求められる事務職には特にいえるが、具体的な個人目標設定が困難な職種はある。となれば、目標のための新たな業務を設定し、(目標達成のため)遂行するという本末転倒な状況となる。
「目標管理制度」という仕組みは、経営者にとっては上でメリットに挙げたような期待を持つことができ、人事評価制度(後日記します)とともに「やってる」感を表すには大変効果的であり、社労士という立場で言えば企業へのコンサル、アドバイス的にも分かりやすく食いついてもらえるネタだと思います。
ただし、それを導入するためにはトップと経営陣と人事部門の相当な成熟度が必要であり、また実際の運用の主役である管理職の負担増を加味したうえで自身の会社がそのような仕組みに適用出来うるか、を客観的に判断できなければただ形骸化した失敗制度に終わるであろう、と考えます。

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