そもそも市場に人がいないという事実

 前回、採用面接についての投稿を2編上げましたが、私も採用側にいた事がある経験から、「そもそも応募してくる人がいないんだ」というリアルな重い現実があります。
 しかしこれは、企業の魅力不足や求人の書き方の問題だけではなく、もっと根本的な理由があります。そもそも市場に人がいない──これが今の日本の採用環境の現実です。
 総務省統計局の人口推計によると、働く中心層である15〜64歳の生産年齢人口は、前年同月比で26.5万人減少(−0.36%)しています。これは毎年確実に働ける人が減っているということです。さらに、日本人人口全体も年間86.6万人減少(−0.72%)しており、労働市場の母数そのものが縮小しているのです。
 厚生労働省の「労働経済の分析」では、今後の推計として生産年齢人口は2020年の約7,500万人から2040年には約6,200万人へ減るとされています。つまり、まだまだこれから20年間で1,300万人の労働力が消えるということです。
 さらに、未来の労働力となる子どもの数も減っています。15歳未満人口は前年同月比で36万人減少(−2.63%)。この数字は、今後の採用市場がさらに厳しくなることを示しています。

 ただでさえ少ないパイを取り合ってるのですから、そりゃ発信力や知名度に勝る大企業に中小零細がかなうはずありません。知名度もさることながら、求職者側の求人情報へのアプローチの仕方も中小零細にはなかなかハードルが高くなっています。
 今に始まったことではありませんが、現代の求職者はほとんどが民間の求人サイトから情報を得ているというデータが示されており、従来主流であったハローワークからの紹介は減少傾向です。じゃあ民間の求人サイトに登録すればいいじゃないか、と思われるでしょうが、登録しただけでは求職者の目を引くことは皆無であり、課金してオプションをつけないとただ埋もれるだけの会社になってしまいます。(星の数ほどある会社の中から目に触れさせるためには検索結果の上位に表示されなければいけませんが、それにはお金がいるのです)そして登録料自体が中小零細にとっては安くはない金額なので、結局コスパはよくない現実があります。過去に比して総情報量は圧倒的に増えましたが、実際目に入る情報は逆に狭まっているのかな、と個人的には思っています。

 採用難は企業の怠慢ではなく、人口構造の変化と求職者の情報を得る手段の変化による必然です。だからこそ、中小企業が求人戦線で生き残るためには、求人内容自体の改善だけでなく、働きやすい環境づくり、定着支援、魅力の言語化、情報発信などを積極的に行い、少しでも他社と差別化をして目に留めてもらうにはどうするか、を考えなければなりません。

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